冬がそっと翼を広げていくとき。

Naoyaです。

今日は二十四節気の19番目、立冬です。冬の始まりです。今日から立春(二月四日頃)前日までが冬となります。

二十四節気には「立(りつ)」がつく四つの節気があります。立春、立夏、立秋、そして立冬。この「四立」によって、日本の季節はきっちりと四つに明確に分けられています。

四つの「立」は文字通り、まるで旗を "立てる" かのような季節の始まりの目印みたい。

日本の季節は四つに分かれてはいるものの、冬の始まりと終わりでは、同じ冬でも空気感がまったく違っています。二十四節気はひとつの季節につき、6つの節気がありますが、節気が進むごとに季節のトーンも違うものになっていくのです。

立冬を迎えたばかりの今はまだ、晩秋のニュアンスが強く漂っていて、これからさらに冬の中心である冬至に向かって、日の入りの時刻もどんどん早まっていくところ。寒さが極まった昏い冬の果てで、少しずつ光が満ちて春へと向かい始める頃とは、風景も宿るエネルギーの感触もまったく違います。

同じ季節の中でも絶妙な移ろいや表情を見ることができるからこそ、日本人は微細な季節感が育まれていると言えるのかもしれません。

冬は寒いから憂鬱。若い頃はそう思っていましたが、年齢を重ねた今では、夏よりも冬の方が居心地がいいと思える時間が増えているように思えます。

凩(こがらし)は冬の到来を告げる冷たく乾いた北風のことです。「木枯らし」とも表記します。春は東風(こち)、夏は薫風(くんぷう)、秋は秋風、という感じで、四つの季節にはそれぞれ季節の到来を告げる風があります。凩は暮れ行く秋の風景を、たちまち冬の色に変えてしまいます。

木々は落葉して、夜の時間は長くなり、街行く人たちの服装の色彩はトーンを落としていく。すべてが冬枯れへと向かって行く中、街が華やかなイルミネーションで飾られると、肌で感じることのない温かさを感じるように思えます。

僕の中での冬が始まっていくイメージは、今まで懐にしまい込まれていた白くて大きな翼が、ゆっくりと広げられていくような感じ。他の季節にはない感覚です。

秋から冬へと移り変わっていく空気感や、丸みを帯びていく柔らかい陽射しには、そんなものを感じます。突き放すような夏の鋭い陽射しと違う、包容力を携えたような緩やかな陽射しは、寒い時期に太陽のありがたみを改めて感じさせながら、安堵感のような気持ちを与えてくれます。

これからどんどん寒くなって夜の時間が長くなっていくと、人はついつい体を縮こめて閉鎖的なマインドになってしまいがちですが、それに反するように冬は翼をのびのびと広げていくように思えます。冬の夜の静寂の中に、そんな翼の広がりの存在を感じることがあります。プレスタートのときの一番最初の投稿で書いた「森羅万象の聲」という言葉が降りてきた夜がまさにそんな感じでした。

冬という旅が今日から始まりました。

森羅万象の聲 The Voice of The Universe

宇宙詠みのMaribrengaëlとスピリチュアルカウンセラーのNaoyaの共同運営による情報発信のメディア。惑星の動きや配置、星座、移ろう季節の空気感。ここではそういったつかみどころがなくて見過ごしがちな、だけどとても大切なことを、読みものや現実的に役立つ情報として発信していきます。