あるべき姿へ戻っていく。

Naoyaです。

今日は二十四節気の8番目、小満(しょうまん)です。ますます陽気がよくなってきて、万物が次第に成長して天地に満ち始める頃。小満は十二星座の双子座の始まりでもあります。風が心地いい季節です。

小満という名の由来には、秋に蒔いた穀物の種が穂をつけ始めるのを見て、ホッとひと安心して、ちょっと気持ちが満ち足りるという説もあるそうです。

二十四節気のひとつの節気をさらに三分割にして、その季節の営みを表現した七十二候というものがあるのですが、小満の終わりに「麦秋至(むぎのときいたる)」という時季があります。これは麦の穂が金色に熟して、収穫の時期を迎える頃という意味です。夏なのに「秋」という文字に「え?」と思う人もいるでしょうが、「秋=収穫期」というニュアンスで使われています。小満の時期は二毛作の農家にとって麦の刈り入れだったそうです。金色の麦の穂は、ヴィジュアル的に秋っぽいですよね。

この夏の富士山が閉鎖になることをニュースで知りました。夏の開山時期にすべての登山道が閉鎖になるのは、静岡県が管理を始めた昭和35年以来、初めてのことらしいです。日増しに暖かくなって、解放感で満ちていく季節の流れとは裏腹に、さまざまなものに規制がかかっている今、どこかチグハグで拮抗しているような、イレギュラーな得も言われぬ感覚が多くの人の中にあるかと思います。

僕が今、一番したいことは登山です。山に行きたいし、森の中を歩きたいです。でも、登山者が激減している山はきっと今、草木が生い茂り登山道が消えてしまったり、動物たちも活動のエリアを広げていたり、本来の自然の姿に戻っているんじゃないでしょうか。規制が解除されても、慣れていない山や人の少ない山への登山は、気をつけた方がいいという声もあります。安全で無理をしないタイミングでまた登山できたらいいなと思います。

今までの流れがストップすることで見直しをかけてみたり、疑問が浮かんできたり、あるいは新しい方向性が浮かんでくることを、最近は嫌というほど体感しています。自分の意向ではない力が加わることで、ストップしなくてはならないとき、体力も能力も、明確な意思も有り余るやる気もある人にとっては、この上ないほどやるせなくてもどかしいと思います。でも、そんなときだからこそ、さらに進化するチャンスが得られていると思うのです。

外的要因が閉ざされることによって、本来あるべき姿に戻っていくのは、自然も人も同じく当然のことだと思っています。不自然だったものが自然なものへと補正されていくとか、いつしか複雑になってしまったものをシンプルに戻していくとか、あるいは治癒力や回復力のようなもので補正をかけていくような感じ。無理していた働き方、人づき合いや人間関係、暮らし方、生活習慣など、ここしばらくの間でいろんなことに気づいて補正して、無理や無駄がなくなったという人もいるのではないでしょうか。それはまるで、人間の都合によって拓かれた山道が、本来のあるべき山の姿に戻っていくかのよう。山と同じように人の生き方も、その人にとってのあるべき形へと変わりゆく過程を歩んでいるのかもしれません。

世界遺産となって観光客の往来が激しくなったことで、熊野古道の石畳の苔が剥がれ落ちてしまっているという話を、以前耳にしたことがあります。苔たちもきっとまた落ち着いて成長して、本来の美しい自然の姿を取り戻していくことでしょう。

森羅万象の聲 The Voice of The Universe

宇宙詠みのMaribrengaëlとスピリチュアルカウンセラーのNaoyaの共同運営による情報発信のメディア。惑星の動きや配置、星座、移ろう季節の空気感。ここではそういったつかみどころがなくて見過ごしがちな、だけどとても大切なことを、読みものや現実的に役立つ情報として発信していきます。