バランスを意識する天秤の季節。
Naoyaです。
今日は二十四節気の16番目、秋分です。そして、今日から風のエレメントの星座、天秤座のシーズンです。天秤座の自分にとっては、我が家に帰ってきたような安心感のある時期です。
秋分は春分と同じく、太陽が真東から昇り真西へと沈んで、昼と夜の長さが一緒になります。陰と陽がちょうど半分のバランスになるときです。秋分を中心とした7日間は秋の彼岸となります。仏教では西という方角は、極楽浄土があるとされている方向とされているため、春と秋の彼岸に極楽往生を願った仏事が執り行われるのだそうです。
彼岸とは川や海の向こう岸という意味。煩悩だらけの「この世」で修行を経て悟りを得て、「あの世」という向こう岸へと辿り着くというわけです。
昼と夜とか。「この世」と「あの世」とか。あるいは、暑さと涼しさとか。この時期に二極のバランスやコントラストを無自覚に意識させられるのが、相対的思考の天秤座の季節というのがユニークです。天秤座の守護星は金星で、牡牛座も同じく金星です。金星が司っているので、牡牛座も天秤座も美意識が高いと言われますが、牡牛座の美とは、自分が美しいと思ったものが一番美しいという「絶対的な美」で、天秤座の美とは、他者の美とのバランスから自分の美を見出す「相対的な美」です。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが、まさに暑さも落ち着く頃。秋の草花も見頃になってきています。曼珠沙華、別名「彼岸花」の燃えるような赤に心奪われたあり、竜胆(りんどう)の青みがかった紫に安らぎを感じたり、菊の造形美に好奇心を掻き立てられたり、どこからともなく香ってくる金木犀の香りにハッとしたり、秋はさまざまな感覚で楽しませてくれる花がいろいろあります。ちなみに曼珠沙華は英語で "spider lily" と言います。蜘蛛の百合。確かに形が蜘蛛っぽいですよね。
秋にも春同様、七草があります。春の七草はお粥にして食べて、無病息災を祈るものですが、秋の七草は鑑賞して楽しむものです。薬として使われていたものもあり、日本人にゆかりや親しみのある草花が選ばれていますが、春の七草のようにすべての草花を取り揃えて、何かをするというわけではありません。秋の七草は以下の通りです。
*萩(はぎ)
くさかんむりに秋と書く花。秋の彼岸にお供えする「おはぎ」の名前の由来。
*尾花(おばな)
ススキの別名。ススキの穂が動物の尻尾に似ていることが由来。
*葛(くず)
葛餅や葛湯、葛切りの原料。根を乾燥させた葛根は、漢方薬としてもお馴染み。
*撫子(なでしこ)
清楚な日本女性を表現する「大和撫子」は、この花が由来。
*女郎花(おみなえし)
名前の由来は、花の美しさが美女を圧倒するということから。漢方薬としても使用。
*藤袴(ふじばかま)
花の色が淡紫色で、弁の形が筒状で袴に似ていることが名前の由来。
*桔梗(ききょう)
多くの武将の家紋に用いられた花。根を乾燥させて漢方薬としても使用。
秋の七草は春の七草と比べると、あまり馴染みがないと思います。だから、秋の七草が何かを知らないという人のが多いと思います。秋の七草の覚え方は2通りあります。
ひとつ目は、五・七・五・七のリズムで覚える方法。
「ハギ・キキョウ クズ・フジバカマ オミナエシ オバナ・ナデシコ」
この並びでリズムよく、何度も繰り返して覚えるのです。春の七草もこのリズムで覚えるやり方です。
そしてもうひとつの方法は、
「お好きな服は?」=「お・す・き・な・ふ・く・は」
という語呂で覚える方法です。これは、
お=オミナエシ
す=ススキ
き=キキョウ
な=ナデシコ
ふ=フジバカマ
く=クズ
は=ハギ
というそれぞれの草花の頭文字を繋いだものです。頭で覚えるよりも、実際にその草花に触れた方が覚えやすいと思います。現在は絶滅危惧種に指定されていて、野生で見ることのできないものもありますが、機会があったらぜひ実物に触れてみてください。
立秋を過ぎて秋分を迎えて、秋が深まってきています。秋が深まってくるということは、冬がどんどん近づいてきているということを意味します。秋分で昼と夜の長さが同じになって、そこからさらに日没が早くなり、昼が短く夜が長くなっていきます。
夏の暑さから解放されて、穏やかで過ごしやすい季節やっとやって来たことを実感する日々。この安堵感も徐々に自分の元から旅立っていき、寒くなっていくと思うとちょっと寂しくもあります。日本の四季というものは、喜びに満ちて迎え入れることと名残り惜しく見送ることの繰り返しなのです。
リビングに竜胆と菊を飾りました。通りがかりの店で見つけた秋らしい組み合わせ。秋はおいしい旬の食材もたくさんあるので、ごはんがおいしい季節でもあります。夏の暑さで消耗したエネルギーを、穏やかな気候の中でリカヴァーして、自分にとってのベストな心身のバランスを回復させましょう。
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