ちょっと満ち足りる時間。
Naoyaです。
今日は二十四節気の8番目、小満(しょうまん)です。ますます陽気がよくなってきて、万物が次第に成長して天地に満ち始める頃。そこかしこの草木もどんどん成長していますね。
小満は十二星座の双子座の始まりでもあります。双子座は風の星座。心地いい風が新緑を吹き抜けていく。まさにそんな季節です。
小満という二十四節気、あまり馴染みがないという人も多いと思います。
小満という名の由来には、秋に蒔いた穀物の種が穂をつけ始めるのを見て、ホッとひと安心して、ちょっと気持ちが満ち足りるという説もあるそうです。
二十四節気をさらに三分割にして、その季節の営みを表現した七十二候というものがあるのですが、小満の終わりの七十二候に「麦秋至(むぎのときいたる)」というのがあります。これは麦の穂が金色に熟して、収穫の時期を迎える頃という意味です。夏なのに「秋」という文字に「え?」と思う人もいるでしょうが、「秋=収穫期」というニュアンスで使われています。小満の時期は二毛作の農家にとって麦の刈り入れだったそうです。金色の麦の穂は、ヴィジュアル的に秋っぽいですけどね。
実はゴールデンウィーク明けから、熊野と京都の旅に行ってきました。2年前からの恒例行事のようになっていますが、この時期の山は新緑が美しくて気候が過ごしやすく、森や山を歩くのがとても快適です。
大峯山という女人禁制の山に登りました。今回で2回目。この山は冬の間は閉じているのですが、毎年5月3日に頂上の大峯山寺の本堂の扉を開ける戸開式(山開きに当たる)があり、それを終えてすぐの登山となりました。
戸開式を終えたばかりの大峯山は緑が若々しく、入山している人の数もまだ多くないせいか、初々しい空気感が漂っていました。道のりは長かったですが、とても気持ちよかったです。
今回の熊野では、奥熊野と呼ばれるディープなエリアに1泊しました。周りには山と緑しかなくて、ケータイの電波も一切届かないエリア。デジタルをすべて放棄して、自分も自然の一部になるような時間を過ごしました。
夜中にふと目が覚めて外に出てみたら、満天の星空を見ることができました。あまりに星が多過ぎて、少し怖くなるくらいでした。
大丹倉(おおにぐら)という刀鍛冶発祥の地で、大きな大きな岩場のある場所に早朝から出向き、その岩の上でゆっくりと時間を過ごしました。瞑想をしたり、両手を広げて深呼吸してみたり、見晴らしのいい景色を見回したり。
新緑の山々に囲まれた絶景が一望できて、遠くの山の合間には雲海が立ち込めていて、光の加減で雲に虹彩がほんのり浮かび上がっていました。そして、足元の大丹倉のゴツゴツとした岩の感じは、まるで宇宙の隕石のような感じ。そんな光景を眺めていたら、まさに森羅万象という言葉がぴったりだと思えてきました。
小満の時期の俳句の季語には、青嵐や万緑、若楓、葉桜、柿若葉など、新緑に関連したものがとても多いです。目にする、耳にするだけでも、初々しい緑が思い浮かぶような言葉たち。そんな新緑に触れるために、ちょこっと遠出してみるのもいいと思います。近くの緑の多い場所を散歩するのでもいいですが、時間をつくって少しだけ遠出して、自然に触れてみると心身がスッとリセットされると思います。
季節の移ろいは頭で考えて捉えるよりも、五感を使って捉えることを優先してみてください。肌感や体感で何をどう感じるのか。そこを意識してみましょう。意外な発見があるかもしれません。
光がますます満ち溢れ、草木の緑が鮮やかな時期。そんな空気感に身も心もゆだねてみて、自分がちょっと満ち足りる時間をつくってみてください。
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