不安定なときこそ心に余裕を。
Naoyaです。
明日は二十四節気の4番目、春分です。春の中心となる節気。秋分と同様に、昼と夜の長さが同じになる日です。春のお彼岸の中日に当たります。ここから夏至に向けて、昼の時間がどんどん長くなっていきます。
春分は十二星座の最初の星座、牡羊座の始まりでもあります。魚座のシーズンが終わり、牡羊座を迎える明日からまた新たに宇宙の一年のサイクルがスタートします。西洋占星術では春分は元日に当たるそうで、春分は一年の中でとても大切な節目です。
春めいてくると、安定した暖かい陽気や桜の開花を待ちわびる人も多いですが、待ちわびるという感覚は日本人ならではの感覚だと思います。明確に決まった日にやって来るかどうかわからないものを、いつかいつかと宛もなく気長に待つ感覚。待ちわびたものがやって来てピークを過ぎる頃から、今度は名残惜しむ時間へと変わっていきます。いつ去ってしまうのか、終わってしまうのか。その明確なタイミングがわからないまま、ずっとそのままであって欲しいと願い続けるのです。もちろん、その願いは叶うことなく、遅かれ早かれ終わりを迎えるわけで。そういう感覚にこそ、日本人らしい心の動きを感じます。
桜は我々日本人の待ちわびる感覚や名残惜しむ感覚を、非常に絶妙な時間配分を使ってくすぐってくれる不思議な存在の花です。日本の四季でさまざまな花が咲いて鑑賞されていますが、これほどまでに待ちわびることと名残惜しむことを、フルに活用して愛でる花は桜くらいではないかと思います。
最近は時短や的確さを求める人がとても多く、桜の開花予想をインターネットで調べて花見の日程を決める…なんていうのも当たり前のようになっています。時間に追われた忙しい生活だからこそ、なるべく時間を無駄にしたくない。そう思うと、時短や的確さを求めるのも当然です。でも、そういったものには風情や侘び寂びがなく、やはり現代に生きる人の多くは心の余裕が欠落しているように思えるのです。心の振り幅がどんどん狭まって、感受性が鈍っていると言ってもいいかもしれません。
暦や時刻のようにきっちりと正確に移り変わっていくもの。気温や天候、あるいは桜の花の開花のように人間の支配下ではなく、大いなる意思の力で曖昧に移り変わっていくもの。そして変わらないもの。変化の振り幅が激しく、不安定な要素や不確定なことが多い春だからこそ、いろんな発見があるかと思います。あえて不安定さの中にしっかりと身を投じてみることで、自分にとっての安定とは何か、自分が求める安定はどういうものかがクリアに見えてくるでしょう。
仕事に追われているときは仕方がないかもしれませんが、オフの時間は時短や的確さを求めることを手放して、余裕を持つようにしてみてください。そして、目に見えるものだけでなく、目に見えない春ならではの今の空気感、移ろいを味わってみてください。心に余裕がないと、大切なものや必要なものすら見過ごしてしまいます。
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