2月の散歩道

Maribrengaëlです。

私にとって、頭の中を整理整頓する方法は散歩である、という話は、ここでも時々書いていいます。東京で暮らしている時も、山手線2駅くらい歩くことがよくあったし、考えや方向性が決まらずモヤモヤしている時は、2時間くらい行先を決めず自由に歩いていたほど。歩いていると自然と外の空気から様々な情報を感じとっていて、そのひとつが季節の匂いでした。匂いもグラデーションになっているのですが、ざっくりわけると春だけで5種類くらい。特に好きなのは、立春を過ぎた頃の匂いです。いや、もしかしたらまだ春じゃないかもしれない…と思えるほど繊細なその匂いは、私にとっては春の一番最初の匂い(もしかしたら冬の終わりの匂いでもある)で、少しもの悲しさを纏ったものです。色に例えると限りなく白に近いピンクのような曖昧で不確かなもの。この時期大雪になることもありますが、その匂いはその中ですら感じられます。寒いとか雪だとか関係なく存在しているのです。

この前Amazon Musicをシャッフルして聴いていたら、Hysteric Blueの「春~Spring~」が流れてきました。1999年の曲です。その頃私はまだ大学生だったと思いますが、1ミクロも狂わず、ある春のことを思い出しました。春といっても立春を過ぎた頃のまだ冬とも言える頃のこと。その匂いにもの悲しさを感じるのは、そのときの感覚が残っているからなのだとふと気づきました。たぶんこの曲を聴くたびに、一生あの春のこと、そしてその時の匂いを思い出すのでしょう。

時は過ぎ、静岡に住んで5年が過ぎた私は、相変わらず時々散歩をしているのですが、その匂いを街角に見つけてうれしいような、やっぱり少しもの悲しいような気持ちになりました。また春がやってくる予感のようなこの匂いは一瞬にして移り変わっていくからこそ大切に感じたい…1年のうちで2月の散歩が好きな理由がわかった気がしました。

世界の流れはますます加速していきますが、何年たっても忘れない感覚や毎年巡る季節の匂いは、けして時代に上書き保存できないものだと思っています。上書き保存しようとしてもエラーではねられて、別名で保存するしかなかった…私にとってそういうものだと思います。この新月から水瓶座の時代はますます進んでいきますが、ふとそんなデータが自分の中に存在しているのを確認できた2月の散歩道でした。

Les Chronovoyageurs...

※日本時間 2/10 8:00 水瓶座新月 となります。

森羅万象の聲 The Voice of The Universe

宇宙詠みのMaribrengaëlとスピリチュアルカウンセラーのNaoyaの共同運営による情報発信のメディア。惑星の動きや配置、星座、移ろう季節の空気感。ここではそういったつかみどころがなくて見過ごしがちな、だけどとても大切なことを、読みものや現実的に役立つ情報として発信していきます。