根拠を超越した感情を
Maribrengaëlです。
今年の夏、久しぶりに東京を訪れるタイミングがありました。東京を訪れるときは、だいたい2泊か3泊して、必ず20年くらい住んでいた南池袋にある神社に挨拶をしに行きます。ここは人生が手探りだったときも日常の中で参拝してきた大切な神社です。2018年に静岡に引っ越してから間もなくコロナ禍になり、この時久しぶりに訪れました。あの頃とは人生のフェーズが全く違えど、私にとっては今でも初心に戻れる場所です。
境内には不定期で営業している古い茶屋があり、不愛想なおばさんが私を見るなり「おだんごはもう今日はこれだけしかないよ!」と言いました。私はお土産でそれを買うことにして、茶屋に入ってそこに鎮座している大黒様について質問したりしていました。平日に茶屋が営業していて、なおかつこの大黒様が見られるのはとても貴重なんだと力説する近所のおじいさんを横目におだんごが用意されるのを待っていると、おじいさんは突然タバコを吸っていいかと茶屋のおばさんに聞きました。「あんた、やめたんじゃないの?吸うなら神社出たところの公園に行ってよ」おばさんは、窓から見える参道の向こう側を指さして言いました。そのおじいさんは80歳を超えている雰囲気なので、私は「健康のためにやめたほうがいいですよ。私もずっと前にやめたけど、今やめといてよかったって本当に思ってます」と言うと、「どんな方法でやめられたのさ?」「…気合いです、最後は気合いなんです」
私がそう言うと茶屋のおばさんが「ははは、気に入った!」と手を叩いて喜び、サービスしとくよ、と奥から別のおだんご(!)を持ってきて同じ袋に詰めてくれました。「人生何事も万策尽きたら最後は気合いなんだよ。あんたは気合いが足りないだけなんだよ」おじいさんはポカーンとして「…それで公園はどっちだっけ?」とヨロヨロ立ち上がりました。
気合い、強い気持ち…そんな言葉を使うと、ただの感情論だとか体育会系のノリだとか言われる時代です。確かにそれを中心においた時代は終わっていると思います。ですが、だからと言って、感情を理由にするのは時代遅れ、ダメなこと、なのではありません。人間にはその他の動物以上に複雑な感情が備わっていて、それは私たちに必要なものです。そして、そこから特別なエネルギーを生み出すことができます。思考的に!論理的に!と叫ばれる時代だからこそ、最終的には根拠を超越した感情のエネルギーに振り切ることも忘れてはいけません。
Les Chronovoyageurs...
※日本時間 11/13 18:29 蠍座新月 となります。
★2024年版 宇宙詠みチャート 販売中です。惑星の動きにすべて宇宙詠みメッセージ付き。宇宙の流れを日常に活かしてください。詳細とお申込みはこちら
0コメント